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「ニットの編み方」特徴まとめ。そして・・・

公開日: : 最終更新日:2016/10/22 未分類

男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」へようこそ。

下の写真は、ネービーセーターのライフル銃床尾当てを本革スエードで作り、
ここにエンブレムを刺繍しているところです。

エンブレムの刺繍

黒の総ゴム編みVネックが海軍仕様です。
陸軍はモスグリーンの丸首です。
精悍な感じが魅力のセーターとなります。

肩には肩章をスエードで施すとカッコいいです。

簡単に、編み方別の特徴を書いておきます。

①メリアス編み:表裏がはっきりしています。
表は縦に、裏は横に糸が走ります。
裏は「窪む」性質があるので、アラン模様を際立たせるため「地」に使用すると効果的です。
表から見て上下が手前に、サイドが向こうへ反ります。

②ガーター編み:ループでは裏と表編みを一段づつ変更して編みます。
「反り」と裏表の区別がありません。
横方向の伸縮性は、メリアス編みと同じで、縦方向は大きいです。

③鹿の子編み:縦横隣目が交互に裏目表目で編みます。
伸縮性が少ないですが、棒編みの横方向の伸縮は宿命的です。
つまり、伸縮を抑える程度です。
アラン模様の「地」に多用されます。
裏表の区別がありません。

④ゴム編み:横方向に裏目、表目を繰り返し、次の段は同じ目を編みます。
横方向の伸縮性が抜群です。
繰り返す目数のパターン、一目ゴム編み、二目ゴム編みや、変則ゴム編みがあります。
表裏区別がないことから、マフラー、軍隊用セーターに多用されます。

セーターの構造で、首回りから放射状に増やし目をしながら円形に伝でいくジャンルのセーターもあります。
北欧では普通に見られるセーターです。
胴体の「肩」を編まないで、腕に肩を編むセーターもあります。

私が指導するときは、チルデン・ベストを編ませますが、
とにかく、完成作品を早く与えたいことと、袖がない分、編む量が少ないし、
減らし目、増やし目、拾い目、段消し編み、作り目、止め。
すべての編み方を習得できるからです。

男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」の最大の目的は「楽しい編み物の薦め」です。

男の編み物の最大の魅力は、
他のどんなホビーにもない「許された見せびらかし」にあると考えます。

絵画でもいい、プラモデルでもいいでしょう。

しかし、自慢の作品を見ていただくには、
わざわざ持ち出して見せるなんて現実的ではないので、自宅へ招く必要があります。

ところが、手編みのセーターは着用して世間を闊歩することが許されています。

これが愉快なのです。

若干不揃いな「目」は手編み感ビンビンだし、

「手編みですか?」

と聞かれたら、待ってましたとばかり

「ええ。」

「奥様ですか。」

「いえ、僕です。」

「え!?」

なんていい感じでしょ。

大いに自己を満足させてください。

本ブログを読んでくださった男性諸氏、いわばニット男子ならぬ「ニット紳士」の皆様の自己満足に貢献できたなら、
「男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」へようこそ。」は成功したと言えるでしょう。

管理人運営の引っ越しサイト

当サイト管理人は、「ニット・イン・スカッチ」の他に、引っ越しに関するサイトを運営しています。
変わり者の私ですから、こちらは、ただの引っ越しサイトではありません。
なんと、引っ越し業界初!? 引っ越しに最適な日を考えるサイトです。
例えば、大安や仏滅と言った六曜の他に、一粒万倍日というのがあるのを知っていますか?
引っ越しに縁起の良い日。
http://www.引っ越しに良い日.com/(外部リンク)

このように、引っ越しの吉日はいったいつか。
さらには料金が安い日はいつか。
そういったテーマに果敢に挑んでいます!
ぜひ、お目通しいただければ幸いです。

「ゲージ」は編み物の訓練、たっぷり編むべし

公開日: : 最終更新日:2016/07/14 未分類

本日も、男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」へようこそ。

さて前回の記事では、ニットのサイズの大きな要素に「編み手の癖」があると申しました。

型紙ができて、その型紙と同じ寸法のパーツを得るためには、
自分が何目何段編めばどれくらいの大きさの生地を得ることができるかを知らねばなりません。

糸は使用する棒ごとに標準的な数字が示されていますが、
残念ながら、その標準は「熟練者」の標準です。

この寸法を「ゲージ」と呼んでいます。

通常、20cm×20cm以上の面積をその糸で編んで、そこの中心部分の縦横10cmの目数と段数を数えます。
たとえば、22目×17段とかです。
ゲージは初心者ほど細かくなる傾向があります。

つまり、前身頃と後身頃のサイズが違ってしまうことが起こりやすく、ある程度すると安定します。

熟練がゲージを伸ばしてしまうのです。

「慣れ」が原因ですから、訓練のためにも、ゲージ用の生地はたっぷり編みましょう。

できれば60cm以上の段数を編みます。
ゲージの採寸は中央ではなく、慣れて安定した上方に近いところから取るとよいでしょう。

このゲージから型紙の形や模様を実現するため寸法を逆算します。

ゲージ

写真は、自分のゲージと同じ比率の長方形マトリックスです。
このマスをマーキングしてオリジナル模様や、型紙を起こしました。

現在では、パソコンが便利です。
エクセル(カルク)系統の計算ソフトでもワード(ライター)のグリッド線が応用できます。

**グリッド線の幅はポイントでなく、半角数字と半角小文字「mm」とすればメートルスケールが使用できます。**

裾や襟、袖口のゴム編みはゲージは不要です。
本体を編んだ棒を2つほど細い物に変更し、目数を2%ほどで減らせば丁度いいサイズになります。

問題は、アラン模様のセーターです。
細かい模様を繰り返すパターンであれば、それと同じ柄をゲージ用に編めば済むのですが、
大きなパターンで多様な模様とすると、著しく幅が変化する生地となります。

私の場合は、「熟練」が解決してくれますが、初心者には難しいです。

最初から臨むのではなく、ある程度こなしてから、力試しでやることが肝要です。

初めの頃は、訓練とゲージを得るためにも、マフラーが実用的です。

ゲージの糸ですが、しわくちゃなので、「捨てる」ことを薦めている解説書を見かけます。

一般的な発想として、せっかく手編みだからと言う心理が「高価な糸」を求める気持ちを起こさせます。

作品は大量生産品ではないので、その考えには頷けます。

そうすると、高価な糸を捨てるのはもったいないです。
初心者レベルの者が編んだ糸が「狂い」で検出できるはずがありません。
ぜひ再利用してください。

ちなみに、最近、気になっているのが抜け毛。
ドライヤーをかけるとごっそり抜けるので調べてみたところ、このような理由があるそう。

男の場合、1回のドライヤーで20本や30本など抜けるのが多いのかわからないですが、ともかく頭皮環境を考えなくてはいけない年頃です。
ちなみに、ドライヤーを左右にふると、頭がよく乾くというのは、知りませんでした。

ニットの型紙、「勘」を駆使して誤差を吸収

公開日: : 最終更新日:2015/02/17 未分類

男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」へようこそ。

本日は編み物の「型紙」についてお話して参ります。

身体のどの部位も、曲線による立体構造です。
この構造物にフィットするよう作られた服飾は着心地がいいはずです。

身体表面の一部に力が集中するような構造の服飾はそこに違和感を発生させ、いやなものです。

そんな中、「和裁」は一風変わった服飾と言えます。

浴衣、着物、甚平のどれも、曲線の裁断は行われず、組み立ても、直線で縫い合わされています。
ですから、頗る容易に畳むことができます。
だからと言って、着心地が悪いでもなく、シンプルな中に伝統の知恵を知ることができます。

洋裁は、曲線で裁断された多数のパーツで構成されており、
クローゼットにハンガーにかけて収納することが普通です。

ニットによるセーターは、縫合による組み立ては殆どありません。
生地の伸縮性が抜群ですから、少々の狂いや誤差は溶け込んでしまいます。
特に、カウチンセーターでは、パーツは浴衣のような直線のみで編まれるのが普通です。

しかし、かといって、漫画のいじめっ子のような、へそを出しているちんちくりんセーターと言うわけにもいかないので、
ある程度は採寸からの寸法で設計する必要はあります。

ニットは、生地を造ることとパーツを造ることが同時に行われる、極めて無駄のない衣料品です。

出来上がる生地のサイズは糸と棒の太さで決まりはしますが、
もう一つ大きな要素として、編む人の癖が大きな割合で影響します。

つまり、同じ道具と材料を使用しても編む人によりサイズが違うのです。

私は、どちらかと言うと標準より少し大きめに仕上がる傾向があります。
多分、慣れると皆、その傾向を持つと考えて差支えないでしょう。

オリジナルのセーターを造るには、最低のパーツ数は3つです。
両腕と胴ですね。
身体から採寸してもいいのですが、初心者は、着る人が普段着用しているセーターからサイズを取り、
変形が必要なら、その寸法を基準におおよその大きさを割り出せば近道です。

大抵のセーターは裾がゴム編みですから、
裾ですぼまって、まるく広がり胴の上部となっているはずです。
この形は編むことで得られた形ですから、通常、胴に「増やし目」は行いません。

このような方法で採寸したら、その寸法で型紙を作ります。
型紙を張り合わせると、接合部に隙間ができます。
ここは、ニットに伸びてもらって辻褄が合います。

写真は、セーターでは見られないパーツの型紙があります。

型紙

これは、ナイトガウンを編んだ時の襟の部分です。

パーツは縫合や重力、着用時の姿勢で伸縮します。
それが起こる前提で「勘」を駆使して型紙を起こしてください。
誤差は吸収されますので恐れずに。

技術よりデザインが優先~妻が編んだカーディガンに思う

公開日: : 最終更新日:2015/02/17 未分類

男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」へようこそ。

さて、写真のカーディガンをいかがに見ますか?

妻に編んだカーディガン

これは、私が妻に編んだものです。

前回の、あのイヤミなアラン模様ではありません。
オーソドックスなアランです。
素直な気持ちで編みました。

工夫は、女性用ですから、袖口などにゴム編みは使用しませんでした。
少しゴム編みが見えますが、「止め」が目的です。

前回の総アラン模様セーターは、その模様を見せつけはしましたが、セーター全体を披露しませんでした。
もし、著名なデザイナーによるものなら、
このアランに対し、冷酷に生地の素材の「柄」以上はないということです。

自分のテクニックに酔いたいなら、腹巻かマフラーを編んでればいいわけです。

実はこの、男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」というブログを表そうと考えたとき、
そこはかとはない思いが浮かんだのです。

今回まで、この順番で書いたのは、妻が私に編んでくれたカーディガンのことに触れたかったからです。

彼女は、以前申した通り、お手本となる解説書の指示通り編みました。
材料のメーカーも指定通りです。
このカーディガンは私が27歳の時に編んでくれました。

私は、今、55歳です。
沖縄ですが、これはセーターではなく羽織るものですから、
僅かな時期しかなくても、このような服が必要なことがあります。
このときに非常に重宝しています。

牛革のスタジャンでバイクというのもアリですが、こちらでは、初詣ぐらいの外出にはピッタリです。

27歳のオレ、55歳の私、どちらにも似合っています。

妻は、結婚前から、私が編み物をする男子であることを知ってはいました。
私の部屋へ遊びに来た時にマシン(編み機)や、ニット・グッズを発見して、頗る疑念を持ったのです。

当たり前ですよね。

当時のマシンはかさばって大きな面積を占有するため、
一人暮らしの若者の部屋のような狭いところでは異様な大きさです。

手編みの方が楽しいので、殆ど使うことはありませんでしたので、
沖縄へ移住の際、廃棄しました。

多分、この辺りがポイントかもしれません。

つまり、ここでも「自己満足」が優先されたと言うことです。

造形する行為に喜びがあるなら、機械で編んでも構わないのです。
しかし、私には全然その楽しさは起こりませんでした。

スカッチに合わない。
船舶の狭いキャビンでパイプをくゆらせる苦虫顔の男のアイテムに「編み機」はありません。

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さて次回は、センチメンタリズムはやめて、実践的なお話をしようと思います。

「オリジナル」を実現する手順です。

原始的な方法ですが、そもそも、手編みですから、それでいいのです。

「アラン模様」の魅力はトリッキーさが命

公開日: : 最終更新日:2015/02/17 未分類

男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」へようこそ。

先日、セーターの柄は色糸の組み合わせによる「編み込み」と、
編み方そのもので表現する「アラン模様」があります、と申しました。

すでにご存じの方もいらっしゃるでしょうが、「編む」と言う作業で柄を得るのではなく、
糸自体に工夫があって、それを効果的に使用し、「素材」で柄を得ることもできます。

前回のカーディガンは、アラン模様も入っていますが、
糸に変化があって、単純な総メリアス編みでも、風合いがある作品を造ることができます。

前回紹介したカーディガンは、妻が、素材から道具、編み方のすべてを参考書の指示どおりに進めて編んだものです。
羊由来の繊維でないものを紬(つむ)ぎ込んだ、ラメ入りや、編み目が消えてしまいそうなほどフワフワなモヘア、
このカーディガンの糸のようなまだら入りなど、いろいろあります。

また、特殊な風合いがある「カウチン」用の糸は、脱脂と紬ぎを省略した紐みたいにブットいのもあります。

今回は、その中で、「アラン模様」を見て頂きます。

アラン模様の特徴の最たるところは、「トリッキー」に尽きます。

メリアス編みを利用したロープ様の編み目が織りなす不思議な模様です。
見た目は縦方向に起こっている模様が、横方向へ編んでいる糸から表現されている不思議さが魅力です。
まるで編み物に理解のない人にはこの不思議さ自体を判らないかもしれません。

しかし、一度でも編み物を経験すると、
「不思議であることを理解し、不思議の実現方法が理解できない」のでハマるのです。

アラン模様のセーター

このセーターは20歳代の頃の作品です。

上は、普通のアランですが、「紐」が斜めに走っているのが判ると思います。
アラン模様のロープは垂直に上りながら捻じれるのはたいしたことではありません。
「斜めに上る」が酷く煩雑な作業です。

下の中央部分は「斜め」を駆使した自己満足たっぷりの柄ですが、注目頂きたいのは、その両サイドの細い捻じれです。
「斜め走り交差」をやっています。

ここでは、私の恐るべき技術を堪能して頂きましたが、ご覧いただいた皆様には、別のことを知って頂きたいのです。

上述で、私は、誇らしげに語りました。
この模様の実現の困難さを滔々(とうとう)と語りましたが、その阿保らしさも知って頂きたかったのです。

悲しいことに、苦労の割に、「斜め走り交差」が品祖な細い紐でしかありません。

「編み物の技術」が、服飾としての美しさに、いかに貢献するかがミソです。

要するに、こんなに手間のかかった総アラン・セーターに、いったい誰が関心を持つのかと言うことです。

つまり、これは、単なる自己満足を得るための作業なだけであったということです。

悩ましい「編み始め」をどう切り抜けるか?

公開日: : 最終更新日:2015/02/17 未分類

男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」へようこそ。

せっかく「よし、何か編んでみよう!」と思っても、一等最初の「くじけ」の引き金が最初に起こります。

それが「編み始め」です。

後で紹介しますが、女性用のニットの一部デザインに、「ゴム編み」がない物があります。
決まりではないのですが、殆どのセーターの裾や襟、袖口はゴム編みで処理されています。

ここが問題です。

色々方法があります。

「襟」では首口が編み終わりなので、「ゴム編み止め」で終わるのですが、胴体はいくつかやり方があります。

襟の場合、ゴム編み止めの時期は、もうすでにそこまで編み終えていますから、
「ここでくじけてはいけない。」と言う心理が働くのですが、胴体の場合は少し心理が異なります。
いきなりですから。
色々悩んでしまいそうですね。

「ダメだこりゃ。」ということで、編み始める前の傷が浅いというか、無傷の状態で「やめた」と決断できることから、
ここが「編める人」と「編めない人」の分かれ目と言うか鬼門的存在と言えましょう。

この「編み始め」にも方法が幾つかあります。
ひとつづつ長所短所を含めて話します。

ゴム編み部分と本体を結合する方法。
メリアス編み作り目からゴム編みを編んで、ゴム編み止めで止めます。
つぎに、最初のメリアス作り目のところから目を拾って本体を編んで行く方法。

利点はこの時に「ゴム編み止め」をマスターできるので、
今後絶対に避けられない襟のゴム編み止め時に苦しまないで済む。
と、簡単、かつ、美しい仕上がりを得ることができる。です。

もう一つは、二本の棒に糸を編まないで八の字に掛けていき、その棒の一方にそれぞれ編んでいく方法です。
これは非常に難しいです。
棒を抜くと糸が「S」字にあるだけで、「目」が存在しませんから、混乱するし、
糸が棒に緊張してからんでいるだけですから、編む余裕分がほとんどありません。
成功すると、ニットとしては最も美しく理想的な編み上がりです。

ゴム編みから始めてそのまま編み方を変更し本体を編んでいく方法。
これは、ゴム編み部分と本体に接合部分が存在しませんから美しい仕上がりになります。
ところが初心者にはかなり高いハードルである、「ゴム編み作り目」を必要とします。

ゴム編みは、一目ゴム編みやら二目ゴム編み、変則ゴム編みがあり、それぞれ違うし、
しかも、例を挙げれば、二目ゴム編み作り目に至っては、リターン1往復半、ループなら3段が消滅するのです。

理解しがたいトリッキーな作業、
おそらく、完成までの全過程で、最難題であろう作業がいきなりあるのです。

悩ましい「編み初め」

写真は、私たちが新婚時、妻が私に編んでくれたカーディガンです。
カーディガンは「ゴム編み」が悪魔の様な長距離を必要とします。

「ループ編み」は男のこだわり

公開日: : 最終更新日:2015/02/17 未分類

男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」へようこそ。

前回、色糸による伝統的な編み込み模様として、フェアアイル・セーターを紹介しました。

編み物は、パーツ別に編んで、それらを組み立てるのですが、そのパーツの拵えかたが2通りあります。

工業的にラインで製造されるセーターはクロスによる服飾と同じように裁断して縫い合わせます。
ニットですから、ほどけないよう、緻密に縫い合わせるのですが、
手編みでは、せっかくの苦労で拵えたのですから、可能な限り縫い合わせたくないという気持ちが起こるものです。

私はその気持ちが強い方です。

胴体を裏身頃と表身頃に分けて編む方法と、ぐるっと輪状で編む方法があります。
「リターン」と「ループ」です。

私は、大抵、可能な限り、できるだけ、無理くり、意地でも「ループ編み」を採用します。
もちろん、前開きのセーター以外です。
本当は、どちらも正統的な手法です。
長短所特徴がありますので、上げておきます。

<リターンの長所>

  • 制作過程で、編まれて行くパーツが小さいので重さが負担にならない。
  • 小さいことから取り回しが良い。
  • 作業が単純でかさばらない。
  • 可搬性が良いので、場所と時間の制約が少ない。
  • 失敗の精神的ダメージが軽傷で済む 。

<短所>

「はぎ」作業が増える。

・・・長所短所はもう一方と比べた結果ですから、ループ編みはリターンの逆になります。

つまり、ループ編みの長所は、「はぎ」が少ないことだけです。
ここら辺が、「男の編み物」なわけです。
男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」では、この、たった一つの長所のためだけにループ編みを選択するのです。

もう一度このメリット、デメリットを見てみると、
リターン採用の利点とは、「作業」の容易さに限られているのです。

出来上がりについての評価を見ると、そこに長所は伺えません。
「はぎ」が多いか少ないかだけですが、
「はぐ」作業過程を嫌っているのではなく、「はぎ」の存在を嫌っているのです。

「はぎ」自体は裏でしか判りません。
「はぎ」が着心地を損なうとも考えられません。
阿保らしいと言ってしまえばそれまでですが、「つなぎ目がない」と言うことが「手編み」の嬉しさの象徴なのです。

要するに「こだわり」です。

そういうことですから、私がここにこだわっているので、
私の編み物教室で手ほどきを受けた日本男子は、申し訳ないですが、このこだわりを教えられ、
「ループ編み」を採用しなくてはならないのです。

こだわりの「ループ」編み

この写真は、前回のフェアアイルデザインセーターの裏を写したものです。
横に渡る糸が見えています。
上方中央にたわんだ糸が見えます。
これ以外は綺麗に揃っています。
これがなく、なおかつ、突っ張らないように編むことが「編み込み」のポイントです。

フェアアイル・ニットの特徴

公開日: : 最終更新日:2015/02/17 未分類

男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」へようこそ。

本日は前回に続き、棒編みについてご紹介して参ります。

棒編みで模様をつける方法は大きく2種類です。

複数の色の糸を使用して、ビットマップで模様を得る方法と、
「表編み」、「裏編み」をパターン化して単色の糸で模様を得る方法です。

どちらも、伝統的な模様でさらに種類を細分できます。

複数色糸により模様を得る方法では、タータンチェックを斜めに行う感じの「アーガイル」と、
横方向にパターンを繰り返す「フェアアイル」が有名です。

どちらもスコットランドの「アーガイル地方」と「フェア島」の伝統模様です。
残念ながら、フェア島は現在ではほとんど無人化しています。

30年以上前に、フェア島の女性が編んでいる姿をテレビで見たことがあります。
結果的には、普通の棒編みでもまったく同じ模様を造ることはできますが、
伝統のスタイルは独特です。

左腰に「受け」を備え、長い棒の尻をそこに差し込み、
右手と左手でどんどんその棒に編みこんで貯めて行きます。

色糸により模様を得る編み方としては、最速と思われます。

決まりごとは、全体としては、カラフルですが、横方向には2色の糸しか使用しません。

編み物のご経験者はすぐに分かることですが、
横方向にいくつもの色を使用すると、大変な煩雑さとなり、出来上がりは分厚いものとなってしまいます。

あまりにもの手間と厚さで実用的ではありません。
「2色編み」と「2本取り」は別のものです。

写真は、前回の記事でもお話した「私の現時点で最後の作品」のセーターです。

フェアアイル模様のセーター

色で表した模様の部分が「フェアアイル模様」の手法で編んだ部分です。
美しいメリアスの裏には不要な色の糸が横に渡ります。
色を増やせばこれが増えていくのです。

メリアスは、表地が内側、裏地が外側で垂直方向に反り、水平方向にはこの逆に反ります。
多色糸で編むと、この現象が冗長されてゴワゴワな生地となってしまいます。

模様は、必要な色の糸を編み、不要糸は裏で休みます。
長い距離を休ませると、裏で糸が長距離に渡るので、左右の伸縮に絶えるよう配慮せねばなません。
また、着用時に指などがかかって、破損させる原因にならないよう、要所要所で、「ねじる」などの工夫が必要です。

模様は、ビットマップで得るので、
ゲージから割り出した長方形マトリックスを塗り潰して図柄を考え、それを再現すればいいのです。

気を付けるべきは、少年マンガの主人公のセーターのように、自分のイニシャルを編み込んではなりません。
男では自己満足とオリジナリティーを得たい欲望から、やりがちな誤りです。
こんなセーターはダサくて着用に耐えません。

もうひとつ、「渦巻き」も禁じ手です。
ラーメンの器みたいな中華模様になってしまいます。

マニアが少ない!? 「アフガン編み」の編み方

公開日: : 最終更新日:2015/02/17 未分類

男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」へようこそ。

さて、現時点で私にとって最後の作品は、
1994年に、故郷の友人が送ってよこした毛糸で編んだデザイナーズセーターです。

ファエアイル模様がくどくない上品なセーターです。

晩婚の友人が新婚旅行でニュージーランドへ行ったときに、私へプレゼントしてくれたものです。

シチュエーションとしては、異様です。
男が男へセーターでなく糸を選んで送るのですから。
つまり、この古い友人は私が手編みを趣味とすることを知っているということです。
高校の同級生です。

私が編み始めたのは、10歳のときです。
もう、45年前です。

このセーターの糸は詰め合わせセットでした。
英語による簡単な説明書とモデルが着用している写真があるだけでした。
その写真をじっくり見て、編み方を分析し、作図コピーしたものです。
完璧に再現しているはずです。

冒頭、「最後の」と申しましたのは、これが送られてくる2年前に沖縄へ移住したからです。
こちらでは、ウールのセーターは無用です。
いくら、男が編むといっても、箪笥の肥やしは嫌なのです。

沖縄でも毛糸は売られていますが、実際、作品が実用かどうかは疑問です。

最近になって、真夏でも若者が毛糸の帽子を被っているのを見かけますが、
ファッションの道は大変だなと思い、同情しています。

さて、手編みは、「かぎ編み」と「棒編み」に大別されます。

実は、マニアが少ない「アフガン編み」というのもあります。
赤ちゃんの服専門という意味ではありません。
「アフガン編み」で採用される服飾としてふさわしいと思うものは、ジャケットです。
風合いがニットというよりもクロスに近く、型崩れがほとんどない生地を得ることができるからです。

棒編みの棒

「アフガン編み」は、写真の長い方の棒で編みます。
かぎ針を長くしたような棒で、往路は棒に糸が溜まっていき、復路では、目を捨てていきます。

かぎ編みと棒編みを同時に行ったような編み方です。

「かぎ編み」は、モチーフの種類が無限に近くあり、非常に拡張性が高い編み方です。
伸縮性はほぼありません。
出来上がりはモチーフを基調とするので、服飾としては、女性用、子供用とされることが多いです。

編むために必要な道具は最も少ないので、作業中の可搬性がよく、
時と場所の制限が少ない分、ちょとした余暇を利用して編むことができます。

「棒編み」は私が最も好む編み方です。
極論をいえば、この編み方は2種類しかありません。
「表目」と「裏目」です。
これを巧みに組み合わせて編むのです。

ある規則で組み合わせを繰り返し、その集合体が編み目を表現します。
また、前後を入れ替えたりしてトリッキーな編み目を表現できます。

本ブログ男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」では、この「棒編み」だけについてお話していくつもりです。

編み物の歴史~手編みニットは男の手によるものだった~

公開日: : 最終更新日:2015/02/17 未分類

男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」へようこそ。

私は55歳の男性です。
編み物歴は45年。
10歳の頃から編み物を始めました。

最近でこそ「ニット男子」なる言葉も登場し、
男子や男性が編み物をすることも公になりましたが、
かといってまだまだ「一般的」というわけでもないでしょう。

さらに私は55歳。
「ニット男子」の範疇に入れてもらうにはいささか、いやかなり抵抗があります。

さらに「ニット」のルーツをたどってみると、
もともと編み物は男の仕事でした。
それもパイプとウイスキーを傍らに置いた男の仕事です。
どことなくハードボイルドな匂いのするものだったと思うのです。
本ブログ、男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」では、
そんな「男」のこだわりあふれる編み物について、
私の作品の写真などを交えながらご紹介して参りたいと思います。

まずはそんな編み物の歴史、編み物のルーツから紐解いてみましょう。

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さて、最近は再びウイスキーブームとなっているようですが、
一般的日本人男子が国産ウイスキーをやるようになったのはどうやら戦後のようです。

ここで言う、「国産ウイスキー」とは、
正統なスカッチ・ウイスキー製法を踏襲した国産ウイスキーのことです。

それまでは、日本人が呑むことのできたウイスキーは輸入品もしくは、模造ウイスキーでした。

製造が開始されたのは、実験的のものを含め日本人ただ一人の技師によるもので、
大正時代にスコットランド留学で得た技術によるものです。

国内で発売された始めての国産ウイスキーは1940年と言われています。
ちょうどこの年、日本人女性の間で「手編み」が流行始めました。
この年の編み物解説書が確認されています。

日本人が初めて編み物を行ったのがいつかは定かではありません。
「製品」としては、それ以前からあったことを当時の著作物で確認できますので、輸入製品と考えています。

さて、「男による手編み」のシーンを想像すると、
彼が喫煙者であれば、紙巻シガーではなく、パイプであることは確かでしょう。

パイプ

その傍らに、「スカッチ・ウイスキー」が注がれたグラスがあるに違いありません。
私の好むウイスキーには、そのスペリングの末尾の「Y」の前には「E」がある方です。
しかし、編んでいるときは「スカッチ」に決めています。

ウイスキー

スカッチもニットセーターも本場はむろん、スコットランドです。

しかし、ルーツとなると違っています。
ニットがスコットランドへ伝わったのはスカンジナビア半島からです。
北欧の厳しい冬には必須アイテムだったでしょう。

もっとも、スカンジナビア半島もルーツではありません。
現在の中東です。
非常に古く、有史以前からの物が残されています。

手編みニットがヨーロッパで盛んに行われた初期は男の手によるものでした。

私が好んで編むジャンルはアラン模様です。
「フィシャーマンセーター」の代表パターンです。
このセーターあたりから、女の仕事となったようです。

女の手によるセーターが極寒の海と戦う男たちを温めました。
柄は非常に複雑な物を競って編まれ、しだいに、その家を象徴する柄が定着しました。
遭難して残された遺体が着るセーターの柄で故人を特定できたそうです。

手編みが女性の手に移っても、長い航海中のキャビンには、苦虫顔でパイプをくゆらせ、せっせと編んでいる男がいました。

女はだれかのために、男は自分のために編みます。

男の編み物は自己満足のためであり、常に「ホビー」なのです。

私が男に編み物を指導するときは、いきなりチルデン・ベストを編ませます。

チルデン・ベスト

写真は、そのためのサンプルです。

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