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編み物の歴史~手編みニットは男の手によるものだった~

公開日: : 最終更新日:2015/02/17 未分類

男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」へようこそ。

私は55歳の男性です。
編み物歴は45年。
10歳の頃から編み物を始めました。

最近でこそ「ニット男子」なる言葉も登場し、
男子や男性が編み物をすることも公になりましたが、
かといってまだまだ「一般的」というわけでもないでしょう。

さらに私は55歳。
「ニット男子」の範疇に入れてもらうにはいささか、いやかなり抵抗があります。

さらに「ニット」のルーツをたどってみると、
もともと編み物は男の仕事でした。
それもパイプとウイスキーを傍らに置いた男の仕事です。
どことなくハードボイルドな匂いのするものだったと思うのです。
本ブログ、男の編み物教室「ニット・イン・スカッチ」では、
そんな「男」のこだわりあふれる編み物について、
私の作品の写真などを交えながらご紹介して参りたいと思います。

まずはそんな編み物の歴史、編み物のルーツから紐解いてみましょう。

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さて、最近は再びウイスキーブームとなっているようですが、
一般的日本人男子が国産ウイスキーをやるようになったのはどうやら戦後のようです。

ここで言う、「国産ウイスキー」とは、
正統なスカッチ・ウイスキー製法を踏襲した国産ウイスキーのことです。

それまでは、日本人が呑むことのできたウイスキーは輸入品もしくは、模造ウイスキーでした。

製造が開始されたのは、実験的のものを含め日本人ただ一人の技師によるもので、
大正時代にスコットランド留学で得た技術によるものです。

国内で発売された始めての国産ウイスキーは1940年と言われています。
ちょうどこの年、日本人女性の間で「手編み」が流行始めました。
この年の編み物解説書が確認されています。

日本人が初めて編み物を行ったのがいつかは定かではありません。
「製品」としては、それ以前からあったことを当時の著作物で確認できますので、輸入製品と考えています。

さて、「男による手編み」のシーンを想像すると、
彼が喫煙者であれば、紙巻シガーではなく、パイプであることは確かでしょう。

パイプ

その傍らに、「スカッチ・ウイスキー」が注がれたグラスがあるに違いありません。
私の好むウイスキーには、そのスペリングの末尾の「Y」の前には「E」がある方です。
しかし、編んでいるときは「スカッチ」に決めています。

ウイスキー

スカッチもニットセーターも本場はむろん、スコットランドです。

しかし、ルーツとなると違っています。
ニットがスコットランドへ伝わったのはスカンジナビア半島からです。
北欧の厳しい冬には必須アイテムだったでしょう。

もっとも、スカンジナビア半島もルーツではありません。
現在の中東です。
非常に古く、有史以前からの物が残されています。

手編みニットがヨーロッパで盛んに行われた初期は男の手によるものでした。

私が好んで編むジャンルはアラン模様です。
「フィシャーマンセーター」の代表パターンです。
このセーターあたりから、女の仕事となったようです。

女の手によるセーターが極寒の海と戦う男たちを温めました。
柄は非常に複雑な物を競って編まれ、しだいに、その家を象徴する柄が定着しました。
遭難して残された遺体が着るセーターの柄で故人を特定できたそうです。

手編みが女性の手に移っても、長い航海中のキャビンには、苦虫顔でパイプをくゆらせ、せっせと編んでいる男がいました。

女はだれかのために、男は自分のために編みます。

男の編み物は自己満足のためであり、常に「ホビー」なのです。

私が男に編み物を指導するときは、いきなりチルデン・ベストを編ませます。

チルデン・ベスト

写真は、そのためのサンプルです。

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